顔面神経麻痺は、顔の筋肉を制御する顔面神経の損傷により、顔の片側に筋肉の弱さや麻痺が生じる状態です。症状には、顔の非対称、表情の変化、発音や食事の困難が含まれます。原因としては、感染症(例えばムンプスウイルスや帯状疱疹ウイルス)、炎症、外傷、腫瘍、血管障害などがあります。
ざっくりいうと、顔面神経麻痺は2つに、わかれて、「ベル麻痺」は、単純ヘルペスウイルスが関与し、「ハント症候群」は、水痘・帯状疱疹ウイルスの再活性化により発症することがわかっています。 疲れやストレスで免疫が落ちると、おとなしくしていたウイルスが暴れだし神経を障害します。本当の原因は、かなりアバウトで、大学病院でも検査をするわけでもなく、放置するか、現代治療もステロイドしかありません。医者にとっては、死に至らない病気なので、とても軽くみられる疾患ですが、患者さん本人は、職をうしなったり、食事の時に汁をこぼしたり、QOLがかなり落ちます。
末梢神経の麻痺、特に顔面神経麻痺の治療には、鍼灸治療がよく用いられます。早く治療を開始するとほとんどのかたが、完治します。鍼灸は、特定の体のポイントに鍼を刺激することで、神経機能の回復を促し、症状の緩和を図る伝統的な治療法です。
一方、中枢神経麻痺は、脳や脊髄の損傷によって引き起こされる運動機能障害です。これは、筋肉の緊張、運動の制御の欠如、身体の一部の麻痺や弱さなど、より広範な症状を伴います。両者の主な違いは、顔面神経麻痺が特定の神経の損傷による局所的な影響に限られるのに対し、中枢神経麻痺は脳や脊髄の広範な損傷による全身的な影響を及ぼす点にあります。これは、鍼灸治療ではむつかしいです。
末梢性顔面神経麻痺に対する灸頭鍼施術(施術者によるサンプル画像です)
以下は、サンプルではなく、大学病院からのご紹介での男性患者さん、
半年間の完全麻痺のから、三か月後、完全に治癒されました。
通電は、ご本人、医師、のご了承を得ていたしましたが、予後リハビリもしてくださり
運よく全く共同運動を起こさずに、社会復帰されました。
大学病院でのステロイドパルスが全く効果が無く、医師か
数か月たってもまったく回復しない顔面麻痺ですが。完治しました。
医師から紹介状をいただき、
はり治療のみで完全に治癒した方の、初期、緊急治療の画像。
(本人の許可をえておりますが、プライバシーのために、綿花で隠してます)
詳細は動画に、あります。全く動かない麻痺からのスタートですので、かなりのテクニックがいります。
発症の日から何か月か経ちますと間に合わないです。ですから、予約枠を超えてできるだけ、緊急に承ります。
1.ステロイド治療が終わった。
2.そして、投薬として、アデホスとメチコバールが出た。
3.医師からは経過観察しましょうと言われるが、治る気配がない。
1か月経ってしまった。さらに2か月経ってしまった。
4.3か月目、もしかしたら一生このままかも・・・と不安がつのった。医師からは外科手術の選択もあるが、治る保証はないという説明があった。
医療に100%はありえないので、ひかえめにいうと、(早ければ)8割、7割は大丈夫です。遅いと本当にダメです。
(院長のみが施術します。個人針灸院としては国内でも高い頻度で施術していると思います。(ここ過去5年間、絶対に週にお一人は施術しておりますので、施術に迷いはないです)
顔面に直接針を打ちます。初期の場合は必ず医師にご相談のうえ、いらしてください。初期(発症直後)は顔面にパルスはかけません)
※注意末梢神経の麻痺が施術対象です。中枢神経麻痺は針では難しいことになります。(中枢神経タイプは、私はできませんので中枢神経かどうか、医師に確認してください)おでこのしわを寄せることができるのが、中枢神経です。おでこしわが、できないほうが、良いです。
初期の場合、顔面神経麻痺の患者さんは週に2~3回の集中施術が必要です。発症してからの時間との勝負ですので病院から退院されたらすぐおいでください。施術期間は約4ヶ月かかります(症状によって2ヶ月で終了するかたもいれば、長期になる方もいます))予約が一杯のときは、とにかく早く、治癒経験が豊富な他の針灸院へいかれるほうが良いです(都内の経験の豊富な良い鍼灸院をご紹介できます)
また、医師から中止を求められることあります。針施術で顔面麻痺を改善されるのを知らない。エビデンスがないから勧められないという理由が多いです。・・・勉強不足だなとは思いますが、日本では鍼施術と漢方は医学部の教育システムにありませんから仕方ないことです。(最近あるところもあるようですが必須ではないです)。私は医師に従うしかないので、残念ですが、論争する気は全くありません。医師の反対を押し切ってまで施術できませんのでどうぞ、ご自身で判断、選択するのがよろしいかと思います。
予約の際に、「1.病的共同運動がでたときの、処置と対処法(最も重要)、自宅でできるリハビリ法の説明ができる(もっとも重要なことで、共同運動という言葉が分からない時点で絶対に駄目です」
「2.いままで、どのくらいの顔面神経麻痺の患者さんをやったことがありますか? 最近はいつやりましたか?」
(顔面神経に、直接アクセスします。初期ではなく日にちが経ってしまって、しかたなくパルスをする場合、筋肉にアクセスする筋肉パルスだけではなく、神経パルスを中心に行います。頬骨弓の下に、一本で神経に当てます。下顎は、筋肉と、耳の下の顔面神経分岐点にかけます。2本あれば、正常なかたは、顔面の表情筋が全部が動きます。
cf.※顔面神経麻痺と診断されると、ほとんどプレドニン点滴になるでしょう。大量に投入しますので、パルスと言います。医師が最初に行う、ステロイドパルス治療は、ステロイド薬を大量に点滴する方法で、電気ではありません。現在の医学では、顔面神経麻痺や突発性難聴など(原因不明の場合、ラムゼイハント症候群のように原因があることもありますが)これしか初期の治療方法はありません。
3.どこに、何か所くらい鍼をうちますか? 鍼のほかにどのようなことをするのか?
4.何日で、成果がでるのか?どういうペースで通えばいいですか? 顔は動くようになり、生活に不自由なくなるのはいつですか?」
この4つの質問をして、迷いがなく、すらすらと答えられる鍼灸院だと、経験豊富です。どこでも大丈夫です。
鍼灸治療 実技 (日本語版)顔面神経麻痺への鍼灸治療
Overseas Explanation for Facial Nerve Paralysis
海外の人のための顔面神経麻痺の説明
顔面神経麻痺は、顔の筋肉を動かす顔面神経が障害を受けることで発生します。
Facial nerve paralysis occurs when the facial nerve, which controls the muscles of the face, is damaged.
末梢性と中枢性の違い
末梢性顔面神経麻痺では、おでこにシワを寄せることができませんが、中枢性の場合はシワが残ります。また、末梢性は末梢の神経が障害されるため、回復する可能性が高いとされていますが、中枢性は脳が関与しているため回復が難しい傾向にあります。
In peripheral facial nerve paralysis, the forehead cannot wrinkle, while in central facial paralysis, forehead wrinkles remain. Additionally, because peripheral paralysis affects the nerves outside the brain, it has a higher likelihood of recovery, whereas central paralysis involves the brain, making recovery more challenging.
ベル麻痺とラムゼイ・ハント症候群の違い
ベル麻痺(Bell’s Palsy)は、顔面神経の炎症が原因で急に発症することが多いですが、実際には原因が特定できない場合につけられる名称です。
一方、ラムゼイ・ハント症候群(Ramsay Hunt Syndrome)は、帯状疱疹ウイルスが顔面神経に感染し、耳や口の痛み、水疱を伴います。
Bell’s Palsy often occurs suddenly due to inflammation of the facial nerve; however, it is essentially a diagnosis given when the exact cause is unknown.
On the other hand, Ramsay Hunt Syndrome involves a herpes zoster infection of the facial nerve, causing pain and blisters near the ear or mouth.
ステロイドパルス療法とその効果
ステロイドパルス療法は、ベル麻痺に対する一般的な治療法で、70-80%の患者がこの治療で完全に回復します。
そのため、ほとんどのケースでは慌てる必要はありません。
Steroid pulse therapy is a common treatment for Bell’s Palsy, with a complete recovery rate of 70-80%.
Therefore, in most cases, there is no need to worry.
針治療のタイミングと電気刺激療法
針治療は発症から1〜2週間以内に開始するのが理想的です。この時期に施術することで回復を促進すると考えられています。ただし、針治療を始めるのが半年経ってしまった場合でも、諦める必要はありません。病院ではこの時点で諦めてしまうことが多いですが、鍼灸治療では治る可能性が高いとされています。ただし、5年以上経過してしまった場合は回復が難しくなることがあります。
電気刺激療法については、以前は有効とされていましたが、最近の研究では「共同運動」と呼ばれる現象が起こる可能性があるため、すぐに行わない方が良いとされています。
共同運動とは、顔の筋肉が本来関係のない動きを伴って動いてしまう現象です。例えば、笑おうとすると目が閉じてしまうといったことです。
Acupuncture is ideally started within 1 to 2 weeks of the onset. This timing is thought to enhance recovery. However, even if acupuncture is started six months after the onset, there is no need to give up. While conventional medical treatments may consider this timeframe too late, acupuncture still has a high potential for recovery.
However, if more than five years have passed, the chances of recovery become more challenging.
Regarding electrical stimulation therapy, although it was previously considered effective, recent studies suggest that it may cause a phenomenon called synkinesis, where muscles that should not be involved move together.
For example, when trying to smile, the eye may close unintentionally. Therefore, it is recommended not to use electrical stimulation too early.